令和2年相続税法の本試験について

今週の水曜日は税理士試験の相続税法でした。

試験終了直後に受講生さんから相続税法の理論問題を送ってもらったときは正直固まりました。

2問とも事例とは・・・

試験問題についての個人的な感想を書きます。

[1] 理論

・問1

事例形式の問題で小規模宅地等の特例、特別寄与料及び特別寄与料に関連する取り扱いを解答する問題でした。

問⑴ 未分割であった宅地について小規模宅地等の特例を適用するための手続を説明する問題。

解答としては相続税の期限内申告書に申告期限後3年以内の分割見込書を添付して提出することが該当します。

答えられないですよね。

仕方ないです。

また、問題文からは申告期限から3年以内に分割されたのか否かが読み取れないため、3年以内に分割できなかった場合の承認申請書についても検討することとなりますが、この問題では解答しないでも良いのではないかと思います。(ここから先は私の予習のようなものです。)

考え方としては、受験上合格するためには効率良く得点する必要があり、事例形式の問題では、答案用紙、全体的な解答量、費やす時間による得点の効率は良いか、他の受験生は解答できるのかなどを検討し優先順位をつけて解答する必要があります。

事例形式の問題は問題文から読み取れない不明な部分については仮定し解答することになりますが、その仮定が少ないものが優先順位が高く、解答すべきものと判断するのが良いです。
(複数の仮定に基づき導き出したものは、そもそも試験委員が想定していないため配点が0の可能性がある、時間を使いすぎて他の平易な論点を答えられない、他の受験生が気づかず答えられないので差がつかないなどが考えられる。)

したがって、3年以内に分割された場合には

・申告期限後3年以内の分割見込書を提出していれば小規模宅地等の特例が受けられる。

は1の仮定になるので優先順位の一番高い手続となります。

なお、3年以内に分割されなかった場合においても適用するための手続はあるのですが、

・3年以内の分割見込書の提出

・やむを得ない事情

・期限までの承認申請書の提出

・税務署長の承認

と4の仮定となるため優先順位は低くなります。

また、⑴の問題文においては、適用するための手続と対象となる書類の範囲が広がる言葉をあえて用いているため、一定の明細書(小規模宅地等の区分、限度面積などを記載した書類)の提出や、更正の請求書の提出を併せて解答しても良いのではないかとも思います。

問⑵ 特別寄与料に係る規定が設けられている理由、Dの相続税の課税価格、税額の計算、申告手続について説明する問題。

・特別寄与料の規定の理由・・・答えられないです。税制改正の解説を読んでいたら答えられたのでしょうが厳しいです。

・相続税の課税価格 答練で出てたので正解できると思います。

・税額の計算 2割加算・・・厳しいですね。親族図表があれば気づけたと思います。

・申告手続 答練で出てたので正解できると思います。

問⑶ 子B及び子Cのとることができる申告等の手続、課税価格の計算について説明する問題。

・申告等の手続 答練で出てたので正解できると思います。

・課税価格の計算 答練で出てたのでほぼ正解できると思います。

目標点は18~20点

・問2

代物弁済が行われたことによる贈与税の課税が問題となる場合の条文、その趣旨について解答する問題でした。

・代物弁済が行われたことによる贈与税の課税が問題となる場合の条文の説明

貸付金と代物弁済に充てた土地の価額に差がある場合についての裁決事例を知っていれば2-3かな?となりますが、知らなければかなり大雑把な問題のため解答が難しいです。(解答範囲は相続税法7条と8条)

ちなみに私が確認したことのある裁決事例は低額譲受についてのものです。

なお、問題文において金銭を貸し付けたとの記載があるため、勘の良い方は債務免除を答えられたのではないかと思います。(実際に答えている受講生さんがいました。)

また、課税しない場合の取り扱いは贈与税の課税が問題とならないので解答不要です。

・趣旨

実質的には贈与と変わらないため課税の公平の見地より贈与とみなして課税する。のようなことが解答できれば点はもらえると思いますが、そもそも相続税法7条と8条が浮かばない方がほとんどだと思います・・・

目標点は3~10点(幅が広い)

[2] 計算

量が多い。
これが第一印象です。

また、見慣れない資料の記載に心がやられます。

このような問題の対処方法は試験委員の揺さぶりに惑わされず、スピードと正確性を強く意識し、未学習を飛ばし、できるところを効率よく解答することだと思います。

解答上迷ったりミスが出そうなところは次の通りです。

・宅地Mの形状 道路を基に正方形または長方形のいずれかに該当するかを確認→該当しない=不整形地

・家屋Nとその預かり保証金 負担付遺贈として処理するのは厳しい

・宅地Qの2階部分の小規模宅地等の特例の適用の有無(生計一親族についての未記載。別居のため生計別親族と判断)

・宅地Sについての契約の種類 不必要な資料が多い 問題文などから賃貸借契約と判断(無償返還に関する届出書提出済)

・Lの割合の選択 通称ラージ(Large)の割合 最終的には大きい割合を選択します。

・貸付金の利息計算上の日数 源泉所得税の徴収はない

・前納保険料 返金額は保険金に加算

学習済み項目だとこんなところだと思います。

理論の点数にもよりますが目標点は37点。


今年はこれで終わり。

土日はゆっくり休めるとおもうので試験のことは早く忘れて休んでください。

メリハリが大事ですよ~

アイキャッチ画像は最近ボーカロイドソフトを買ったのでその録音に使っているソフトです。

 

ABOUTこの記事をかいた人

池袋で所属税理士・税理士受験・相続税法の非常勤講師として活動しています。 このブログでは税務に関する情報や税理士試験に関する情報を発信しています。 こうみえて昔はV系バンドマンでした~(*´-`)