税理士試験で科目合格するためには、各税法等の専門知識を積み上げることが当然必要ですが、2時間の時間制限がある試験なので、その戦略も重要であると思います。
また、合格済科目で自分自身で確立した戦略が、他の科目を受験する際には足枷となる場合があります。
それは合格答案の作成方法は科目ごとに多少なりとも異なるためです。
科目合格するためには科目ごとに割り切り、受験科目の合格答案の特徴を把握し、その合格答案を作成するために必要な能力を高め、その戦略を練り上げることが必要だと思います。
具体的には
① 過去の本試験問題の出題傾向を把握すること
例えば
・税法条文の暗記力を重視しているのか、理解力を重視しているのか、またはその両方か
・試験問題のボリュームは適切か不適切か
・同じ論点が多く出題されるのか否か等々
② 上記を踏まえて過去の本試験における合格答案の傾向を把握する
例えば
・理論を税法条文の規定通りに書くのか、それとも暗記した規定を崩してでも解釈を伝えることに重きを置いて書くのが良いのか
・計算より理論が重要なのかまたはその逆か
・外してはいけない論点が出題されやすい科目なのか
・各出題項目における受験生の正解率はどのくらいなのか等々
➂ 上記を踏まえて合格するために必要な能力・行動を把握する
・理論で税法条文の暗記力が必要であれば
→規定をひたすら暗記し正確性を高め、解答量が合否を分ける科目であれば、答案作成スピードを高める
・理論で税法条文の解釈力が必要であれば
→規定文の暗記の他に解釈を暗記(参考書の解説部分・税務大学校の論文・裁決例・実務書・通達・タックスアンサー・質疑応答事例集等)し、かつ、文章力を高める
・外してはいけない論点は必ず正解できるようにその精度を高める
・他の受験生の正解率よりも高い正解率を実現するため、時間を確保し反復復習して精度を高め、かつ、スピードを高めるために答案作成方法の工夫をする等々
概要としてはこんなところですかね。
受験する科目によって本試験までに積み上げていくものは多少なりとも必ず異なると思います。
柔軟に頭の中を切り替えて本試験に挑むことが大切だと思います。
多忙、かつ、孤独な戦いだと思いますが立ち向かい様々なものに打ち勝つしか道は無いと思います。